家づくりについて調べると、
「断熱」「気密」「省エネ」という言葉をよく見ると思います。
そういったことを踏まえた住宅のことを「省エネ住宅」と言います。省エネ住宅とは、気密性・断熱性を高め、効率の良い太陽光などの設備機器を採用し、家そのものが長持ちするようにしっかりと考えてつくられた住宅のことです。
省エネ住宅は、過ごす空間が快適で健康的、なおかつ毎月の支払いや、光熱費なども抑えられる、お財布にも優しい暮らしを実現できるので、住まい手の満足度を上げることができるのです。
今回は、省エネ住宅の必要性について簡単にお話をしたいと思います。
また、私たち山本建築工房の記す家の勉強会である「STUDY!!」では、こういった省エネ住宅についてわかりやすく説明をしていますので、ご興味のある方はそちらにもご参加くださいね。
近年の住宅建築において、こういった点において「性能が良い家」が推進されるようになりました。
それはどうしてかと言うと、「地球の温暖化」をはじめとする世界的な環境問題があります。
地球温暖化の一因には、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量が増えたことが挙げられます。
実は、日本のCO2排出量は世界全体の約5%を占め、一人あたりのCO2排出量も世界平均の2.4倍です。
そんなCO2の排出国である日本は、世界的な会議で各国同様に省エネルギー化の施策を立てて、温室効果ガス排出量の削減を明言しています。だからこそ、国が省エネルギーな住宅の普及を推進してるのです。(だから補助金なども多く給付されるようになった!)
そして、これらの「性能が良い家」に住むと、どういう効果があるのか?
なぜ良くしないといけないのか?と疑問になるかと思います。
性能が住まいにどういった影響を及ぼすのかを簡単に説明しますが、結論を先にいうとこれらの性能が高い家は家計に優しく家族が健康になる住宅です。
では、説明していきます。
まず「断熱性」について
断熱についてはすでに知っている方が多いかと思いますが、断熱とは家の壁や床や天井などに断熱材を使用することにより、外部の熱を遮断し、内部の熱を逃がさないことです。
断熱をしっかり行うことで外の気温に影響されることなく年中快適な温度で暮らす事ができます。
実は、家のなかの冷気や暖気は簡単に家から逃げてしまうのです!!
熱は人の生活に密接に関係してきます。
次に「気密性」についてです。
気密性はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、簡単に言うと家のすき間がどれだけ少ないかという事です。
子供の頃の家を思い出してみてください。壁や窓の近くから冷たい空気がすきま風として入ってきていたりしていませんでしたか?
これだとせっかく家全体に断熱材をつけていても、外の空気が入ってきて家が寒くなったり熱くなったりします。それだけではなく、外気中の有害物質(アレルギー物質や排気ガスなどのスス等)が進入してきます。だからこそ、気密性を高める=すき間を減らすことで断熱材の本来の力が発揮させ、健康的な空気環境をつくる基盤ができるのです。
さらに最後のポイントである「換気設備」が大事になります。
気密性を高めて断熱性能を100%発揮させる事で、室内温度は快適になりますが、そうなると外と中の空気が通らないので換気が出来ず、室内で発生した湿気がこもり、カビが発生したりタバコや生活で発生する臭い、有害物質等が溜まってしまいます。(特に化学物質VOCには注意が必要!!)
しかし、せっかく断熱で室内温度を快適に保っているのに窓を開けて換気してしまうと外の温度に大きく影響されるだけでなく外部のアレルギー物質等がそのまま入ってきてしまいます。
そこで、家全体の換気を決まった量・時間・場所で計画的に行うのです。
(そんな画期的なことが今はできるようになっているのです!!)
現在、家を建てる際には建築基準法という法律で24時間換気といった計画的な換気が義務化になっています。24時間換気システムを導入して家全体を計画的に換気することで、室内温度を保つだけではなく結露によるカビ等の発生を抑制したり、外部からの有害物質の進入を防ぐ事ができます。
さらに室内温度を快適に保つということは、エアコンやヒーター等の稼働を少なくすることから省エネにもつながります。
このように家の性能は断熱性能、気密性能、換気性能の3つのバランスがとても重要になってくるのです。
この3つの性能を高めることで、家の中の温度差によるヒートショックや結露から起こるカビの発生、有害物質の停滞や進入を防ぐことができます。
よって断熱、気密、換気性能を高めると家族の健康につながります。
この関係性を理解しておくことがこれからの家づくりのポイントになります。